ランドセルのカビを取るにはどうすればいいの?

ランドセルのカビを取るにはどうすればいいの?

子どもには、清潔なランドセルを背負って、毎日気持ちよく通学してほしいものです。しかし、大切に使っているつもりでも、使用方法や管理によっては、カビが生えてしまうことがあります。そんな困ったカビを取る方法について調べてみました。

まず確認するポイント

牛革、コードバン、人工皮革など、ランドセルに使用されている素材は種類が豊富です。その種類や製法ごとに注意点が違うので、まずはランドセルを購入した時に付いていた取扱説明書を、よく確認してみましょう。

自宅でのケアをする場合は、持っているランドセルの特性をよく理解しておくことが大切です。カビが生えてしまった場合は、ランドセルに付いている保証の範囲外のことが多いので、保証がどうなっているのか調べておきましょう。

また、自宅でのセルフケアは、何が起こっても自己責任になります。薬剤などを使用する際には、ベルトの影やポケットのマチの下の部分など、ランドセルの目立たないところで試してみて、影響がないことを確認してから行うようにしましょう。

ランドセルのカビを退治しよう

ランドセルごとの特性や使用上の注意を頭に入れながら、カビを除去していきます。カビは生き物です。発見したら放置しないで、早めに対処しましょう。

カビを拭き取る

まずは、カビが生えている部分を固く絞ったタオルで拭きます。この時に、表面のカビを削ぎ取るつもりで拭いていくと良いでしょう。カビが表面だけの場合は、これで目に見えるカビは取れるはずです。

しかし、ランドセルの表面に傷などがあり、カビの根っこが内部まで浸透してしまっている場合は、拭き取れずシミになって残ってしまいます。このような状態だと、拭き取りだけでは取り切れないので、ゴシゴシと擦ってしまわないように気を付けましょう。拭き過ぎると、ランドセルに新たな傷を作ってしまう恐れがあります。

また、カビは菌が付くと繁殖をくり返すので、拭く範囲はカビの部分にとどめ、塗り広げないようにしましょう。

除菌をする

目に見えるカビがキレイに拭き取れたら、次は、表面に付着している目に見えないカビ菌を殺菌しておく必要があります。手を消毒するようなアルコールスプレーを吹き付けて、固く絞ったタオルで拭き上げます。おすすめは、エタノールです。無水エタノールだとエタノールよりも成分が薄いため、99パーセントのエタノールを使いましょう。

そして、水分が残らないように、キレイな柔らかいタオルで仕上げの乾拭きをしておきましょう。この段階で、カビのニオイがしないことが目標です。何となくニオイが残っている場合は、アルコールスプレーの吹き付けをさらに数度行ってみましょう。

革製品用ケアアイテム

革製品に特化したケアアイテムは、様々なものが販売されています。クリーム状やスプレー式のカビ取り剤のほか、革製品が丸洗いできるようなものまであります。持っているランドセルへの使用が問題ない場合に限り、使ってみるのも良いでしょう。

特にコーティングされていない本革やコードバンなどのランドセルは、十分に確認してから行うようにしましょう。ランドセルは子どもが毎日使うものなので、使用した薬剤はしっかりと拭き取ることも大切です。

カビを取り除いた後の仕上げ

カビを除去した後には、またカビが生えないようにランドセル全体を完全に乾かします。紫外線には殺菌作用があるので、直射日光を数時間当ててカビ菌をさらに除去することをおすすめします。ただし、色褪せることもあるので、心配な場合は風があたる日陰でしっかりと乾かしましょう。

ドライヤーやアイロンなどによる高温で急激な乾燥は、ランドセルの素材が縮んだりシワになったり変形したりする原因になるので、注意が必要です。

しぶといカビは修繕を依頼

どうやっても取り切れなかったり広範囲にカビが広がったりして、自宅でのケアに限界がある場合は、メーカーに相談して有償での修繕や部品取替えなどをしてもらうこともできます。

なお、メーカーで修繕してもらう場合、ランドセルが手元に戻ってくるまで2週間以上かかるため、時間的余裕があるときに検討しましょう。また、交換する部品によっては高額になることもあります。例えばランドセルのフタになる「かぶせ」の部分の交換だと、種類やメーカーにもよりますが最低でも6,000円程度かかります。

もう一つの方法として、革製品のクリーニングも考えられます。革製品を専門にしている業者でも対応は様々なので、ランドセルを引き受けてもらえるかの確認が必要です。

カビが生える原因と予防

革製品はコラーゲンなどの栄養が豊富なので、使用方法や管理を誤ると、一般的にカビが生えやすいものといえます。しかし、子どもたちが使用することを前提に作られているランドセルは、基本的にカビが生えにくいように、表面にコーティングが施されていることがほとんどです。

それでも、どんな扱いにも耐えられるわけではありません。場合によっては、残念ながらカビが生えてしまうことがあります。人工皮革のランドセルは、素材自体に栄養がないためカビが生じにくいですが、扱いを間違えるとカビの温床になってしまうことも考えられます。

原因の多くは、ランドセルに付着している手からの油分や汗、食べこぼし、ホコリなどです。これらが栄養となるほか、さらにカビ菌が好む70パーセント以上の湿度と20度以上の気温・室温が、カビ菌を増殖させます。

雨や雪に濡れた状態で放置したり、ランドセルの保管場所がお風呂の近くなど湿度の高い場所だったりすると、カビの繁殖を招きやすいです。

ランドセルが雨や雪で濡れてしまった場合は、なるべく早い段階で乾いたタオルを使って水分を拭き、中身を出して乾かすことが重要です。湿度の高い場所を置き場所にするのは避けましょう。どうしても変えられない場合は、換気に気を付けることをおすすめします。

一度カビが生えてしまったランドセルは、どんなに頑張って除去しても、取り切れずにどこかに潜んでいることも考えられます。これも視野に入れて、十分過ぎるくらい対策をしていきましょう。

ランドセルは子どもと一緒に6年間の小学校生活を過ごすアイテムです。カビが生えてしまったら、早め早めの対策で清潔なランドセルに蘇らせてあげましょう。キレイになったランドセルを長持ちさせるために、保管方法やランドセルの扱い方について、子どもと話す機会を設けるのも良いですね。