ランドセルのしわの直し方、革のひび割れやかぶせのへこみ対策

ランドセルのしわの直し方について

ランドセルを使い続けると、かぶせ部分がしわしわになってしまう事があります。

特に天然皮革(牛革やコードバン)のランドセルは、人工皮革に比べ耐水性が弱く、しわしわになりやすい傾向にあります。

この記事では、ランドセルがしわしわになってしまう原因と予防方法についてまとめるので、ぜひ参考にしてもらえばと思います。

ランドセルのかぶせ部分にできるしわの原因は

大切に使ってきたランドセルでも、気がついたらランドセルのかぶせ部分が波打ったり、しわになったりすることがあります。

少しだけなら気にせずに使い続けることもできますが、あまりに目立つようだと気になってランドセルカバーをかけて使う子もいます。

せっかく色やデザインや素材が気に入って買ったランドセルなのに残念ですね。なぜこのようなしわになってしまうのでしょうか。まずは原因を探ってみましょう。

濡れた革は変形しやすい

牛革やコードバンのランドセルも天然の革をそのまま使うわけではなく、多少の雨に濡れても大丈夫なように耐水性を高める処理を施しています。

しかし、100%の完全防水となれば、革本来の良さが失われてしまうため、そこまでの処理は行っていないケースがほとんどです。

そのため、どうしても縫い目から中の芯材に雨水が浸透してしまい、しわの原因となってしまいます。

大人の場合は傘の差し方を意識することで、バックや鞄を濡らすのを防ぐ事もできますが、体の小さい子どもの場合、ランドセルまで雨から守るのは難しいです。

当然ですが、通学時間が5分の子どもと20分の子どもでは濡れ具合が異なり、長く雨に濡れるとランドセルが水分を吸収してずっしりと重く感じるという子もいるようです。

このような場合、ランドセルの一部だけひどく濡れてしまう事で革の縮み具合に影響し、歪んだり波打つように変形してしまいます。

また、表面の水分を取ろうとしてゴシゴシ力を入れてこすることにより、濡れた革が引っ張られて伸び、変形してしわができてしまうことがあります。

ドライヤーなどで急激に乾かすのはNG

雨に濡れた状態が良くないと聞き、早く乾かしたい一心で急いで水分を取ろうとするのはNGです。

なぜなら、ドライヤーの熱やストーブなどに近づけて高温で乾かすと革は縮んで硬くなり、逆に変形やしわの原因となってしまうからです。

ドライヤーやストーブがダメなら、濡れたかぶせを平らに置いて、低温アイロンをかければいいのでは?と考える人もいるかと思いますが、こちらも厳禁です。

雨に濡れた場合は、乾いた布で水分をしっかり拭き取るようにするのがポイントです!

ちなみに本革は一枚一枚状態が異なり、血管の跡がついていたり、ホクロのあるものもあります。

かぶせの表革と芯地になる部分や内張りの部分など貼り合わせたときに、濡れたり乾いたりを繰り返すと、それぞれの革の伸縮率の違いにより、しわや浮きが出たり、貼った部分が剥がれしわが入ったりすることがあります。

同じように製造しても、天然革を使っている以上、個体差によりしわができやすいものも出てくる点を理解しておきましょう。

逆側に折り曲げるのもしわの原因に

ランドセルは、かぶせを平らにした状態で水平にものを出し入れするのが製造元のおすすめする理想の形です。

かぶせを内側に曲げたり外側に曲げたりする力が加わるとしわの原因になります。

しかし狭い場所で中のものを出し入れするときは、本体を立ててかぶせを反対側に垂らした状態でものを取り出すことが多いのではないでしょうか。

またかぶせを反対側に折った状態で、本体の下に差し込んでコンパクトにしてからものを取り出す使い方をする子もいます。

そのような状態で本体に重い教材を入れているときには、かぶせに折り目がついたりそこからしわになったりひびが入ったりすることがあります。

しわやひび割れの予防方法

ランドセルメーカーは小学生の子どもが6年間無事に使い続けられるように耐久性のある製品作りをしていますが、使い方次第ではしわができてしまうことはあります。

でも、自分で予防することができればきれいなまま使い続けたいですよね。しわを防ぐためには、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。

雨の日はランドセルカバーを使う

ランドセルは極力濡らさないように、雨の日はできるだけカバーを使用して登下校するのがおすすめです。

もし濡れてしまったら、すぐにやわらかい布で優しく拭き取りましょう。

子どもが着られなくなった小さくなった肌着はありませんか?

縫い目を切り取り、適当な大きさにカットしておくと、ランドセルの水分を拭き取るのに便利です。

生地の質もやわらかく吸水性もあり、固くなったタオル雑巾よりもおすすめです。

ゴシゴシこすらずに風通しの良い場所で天日干しではなく陰干しで、ドライヤーやアイロンなどの熱を加えずにゆっくりと乾かしましょう。

繰り返しになりますが、一刻も早く水分を飛ばしたいがために短時間で乾かそうとして、熱を加えるのは良くありません。

カバーを定期的に外して乾かす

一年生は入学したら交通安全のための黄色いランドセルカバーをつけるように指導されることが多いのではないでしょうか。

ビニール製でランドセルの傷から保護したり雨から濡れるのを避けることができます。

また黄色が目立つため、急に道に飛び出したり道幅いっぱいなったり危ない歩き方をする一年生は、黄色いカバーをしていると車を運転するドライバーからも視認性が良く、安全運転のための警鐘にもなります。

カバーは一度取り付けると、あまり外したり付けたりはしないのではないでしょうか。

しかし、長い間つけたままの状態で放置しておくと、ビニールで覆われたかぶせ部分が湿気を持ち、常に濡れた状態になってしまいます。

それが原因で波打つように変形したりしわが入ることがありますので、日曜日など一週間に一回はカバーを外して風通しの良い場所で乾かすことを心がけましょう。

説明書をちゃんと読んで正しいメンテナスを

防水効果は過信すべきではありません。いつまでも購入当時と同じ性能があると思わないほうが良いでしょう。

濡れてその都度拭いているうちに、防水加工がだんだんとはがれ落ちてしまいます。

かといって防水スプレーをしたのでは革が目詰まりをして通気性を妨げてしまったり、色ムラの原因になったりすることもあります。

また保護のための皮革クリームなどを塗りすぎるのも、同じように必要以上に油分を与えたりすると、やわらかくなりすぎて型崩れの原因となることもあります。

誰かがこうすると良いと言っていたから、と安易に鵜呑みにせず、ランドセルの革や製品にあったお手入れ方法を使用説明書等で確かめて、それぞれのランドセルに適した方法でお手入れをしましょう。

まとめ

コードバンや合成皮革に比べると、牛革は水に弱いと言われています。

しかし、今はきちんと防水加工をしているものが多く、お手入れも簡単にすむように作られているものがほとんどです。

しかし、そのお手入れ方法も間違った方法では、しわができる原因となります。

ゴシゴシこすったり、急いで乾かしたりと、革にとって負荷がかかるような扱いをせず、正しいお手入れ方法を覚えましょう。