車椅子用のランドセルの特徴

車椅子用のランドセルの特徴

6年間もの間、小学校生活を共にするランドセルは、子どもの使いやすさを優先に選びたいものです。

ランドセルの種類はたくさんありますが、なかには車椅子やバギーでの通学スタイルに対応したものもあります。

今回は、そんな車椅子やバギーに適したランドセルの特徴を紹介します。

車椅子で使用するランドセルには、どんな種類がある?

通学スタイルや、子どもの生活スタイルに合わせた使い方ができるように、まずはランドセルのタイプを選びましょう。

縦型全かぶせタイプ

スタンダードな縦型は、フタである「かぶせ」が、ランドセルの正面全体を覆っているタイプです。

かぶせが大きいので、開け閉めする時に大きな動きが必要です。ロックする時には、ランドセルを倒した状態か傾けた状態で行います。

背負って使用することも、車椅子の後ろに引っかけることもできるので、使用場面に合わせて使い分けられます。

既製品のランドセルの中でも一番多いスタイルなので、色や種類、カバーなどのアイテムも充実しています。

縦型全かぶせタイプのランドセルは「ふわりぃ」で購入することができます。

縦型半かぶせタイプ

縦長で、かぶせが半分のタイプです。かぶせが小さい分、より小さな動作でランドセルの開け閉めを行うことができます。机や膝の上などに置き、そのままの状態でロックの開閉ができます。

背負うことも、車椅子の後ろに引っかけて使うこともできます。

縦型半かぶせタイプのランドセルも「ふわりぃ」で購入することができます。

横型半かぶせ

横型のランドセルで、かぶせも半分なので、小さな動作でランドセルの開け閉めを行えます。また、縦型よりも浅くなるので、深く手を入れなくても筆箱などの小さなものの出し入れができます。

身体の横幅より大きくなるため、背負うことは推奨されていません。車椅子に取り付けやすいタイプです。

横型半かぶせのランドセルは「ふわりぃ」の他、「アトリエ千異多」で購入できます。

 

なお、鞄工房山本ではランドセルに特注のベルトを付けることで車椅子対応にすることができます。

鞄工房山本車椅子ランドセル

車椅子用ランドセルを検討している人は、奈良本店(0744-20-1771)まで問い合わせてみてください。

鞄工房山本のランドセル詳細はこちら

子どもに合わせたカスタマイズ

最近のランドセルは、一人一人に合わせたカスタマイズができるようになっています。

個人の身体機能や扱いやすさを十分に考慮してパーツを選び、それを組み合わせて、自分だけのランドセルを作るのもおすすめです。

ランドセルの素材

昔のランドセルは重い牛革製のものが一般的でしたが、近頃は本革のランドセルであっても軽さを追求して作られているものが多いです。

ランドセルを含む革製品は、使うほどに馴染む性質があります。防水加工がされているものもあり、扱いやすくなっています。

人工皮革のクラリーノなども、軽い素材でできています。防水性も優れていて、型崩れもしにくく扱いやすいです。

昔の人工皮革のランドセルは、よく動かすベルト部分などがへたりやすかったですが、最近のものは耐久性も上がっていて、6年間の使用に十分耐えられるものになりました。

また、リュックサックなどに使用されているナイロン製のものもあります。

革のランドセルよりも軽く、教科書や給食セット、防犯ブザーなどの学校グッズを効率的に持ち運ぶ機能があるものや、見た目がランドセルに近いデザインのものも販売されています。

防水加工も施されているので、教科書などをしっかりと守ってくれます。

肩紐

スタンダードなランドセルの肩紐は、本革や人工皮革、ナイロンなど素材を選択できます。

ランドセル本体と同じ本革や人工皮革の素材を選ぶと統一感が出ますが、調節はベルトの穴の部分のみで微調整はできません。

車椅子の押し手に直接引っかけると、型崩れの原因になってしまいます。

一方、ナイロン素材の肩紐は、柔らかくフィットします。リュックサックのように、自由に調整できるメリットもあります。

また、革製品に比べて自由度が高いので、肩紐を車椅子の押し手に引っかけるのも容易にできます。

かぶせのロック

ランドセルには、かぶせが開かないようにロックが付いています。

昔のランドセルは、自分でカチッとロックのつまみを回転させて閉めないと、ランドセルが開いてしまい大惨事になったものですが、近年のロックは進化しています。

スタンダードなタイプのロックは、かぶせの先にある金具をロックのつまみにはめ込むと、マグネットの力で自動的に回転する仕組みになっています。

また、金具をロック部分に押し当てるだけで閉まるものや、マジックテープ式のものもあります。

内ポケット

内ポケットはファスナーで開閉する仕組みになっています。なかには、つまみやすいようにファスナーの引手が大きく作られているものや、ループ状になったものもあります。

これに関しては、市販品を付けることも簡単にできるので、必要性を感じた時に自分で準備しても良いでしょう。

車椅子用ベルト

ランドセルを車椅子に引っかけても、ずり落ちてしまっては困ります。これを防ぐためには、ランドセルの両側側面の上部に、車椅子のハンドルに引っかけられるベルトを付けておくと便利です。

着脱できるものもあるので、使用する状況に応じて外すこともできます。

子どもの通学事情に配慮する

通学の際は、車椅子のみの場合や、車椅子でバスや電車を利用する場合があります。そのため、子どもの通学事情にも合わせたランドセル選びが大切です。

例えば、横型のランドセルは、物の取り出しやすさはありますが、車椅子やバギーの幅よりも大きくなってしまうことがあります。すると、周りの人や物にあたってしまうことも考えられます。

最近は、幅の広いタイプの改札が設置されている駅も増えてきました。しかし、使用する駅の改札やエレベーターが狭いタイプしかない場合は、コンパクトなランドセルを選ぶなどの配慮が必要です。

自宅から道路に出るまで、そして学校や普段利用している施設などで、ランドセルを車椅子に引っかけたまま通ることができると、子どもや介助者の負担が少なくなります。

まとめ

車椅子やバギーでの通学にも、子どもに合わせたランドセルを選ぶことができます。

6年間使用するものなので、形や色合いなどはもちろんですが、機能性も追求して、子どもにピッタリのランドセルをカスタマイズしてみてください。

小学校は、子どもが周りの友達から刺激を受けてグングン成長できる場所です。子どもに合ったランドセル選びをし、「できる喜び」を感じてもらえるとうれしいですね。