背カンや肩ベルトは特に壊れやすいので注意しよう

背カンや肩ベルトは特に壊れやすいので注意しよう

小学校の入学式が終わるとすぐ、ランドセル業界では次年度の新一年生に向けた販売商戦が始まります。わが子に最適なランドセルを選ぶために、なかには休暇を取って各地のメーカーや工房などを巡る親子連れもいるとか。その様子は「ラン活」と呼ばれるほど活気づいたものです。

ところで、ランドセルを選ぶ際には、どんなところに着目すると良いのでしょうか?ここで詳しく解説するので、参考にしてみてください。

ランドセルで壊れやすい背カンと肩ベルト

ランドセル修理で一番多いのが、背カンの破損です。背カンとは、ランドセル本体と肩に背負うための2本のベルトをつないでいるパーツのことです。肩ベルトが体にうまくフィットするように、開き具合を調節しています。また、肩ベルトの根元が取れたり、ベルト穴が広がって避けたりするケースも多くみられます。

背カンの種類を比較

背カンには、大きく分けて「固定型」、左右の肩ベルトが別々に動く「非連動型」、左右対称で同じ動きをする「連動型」の3つの種類があります。それぞれの特徴を説明します。

固定型背カンの特徴

このタイプは、昔からよくあるランドセルに見られる造りです。金属を使ってガッシリと固定するので、肩ベルトが変形したり動いたりすることはありません。背負うときに無理に引っ張らなければ壊れることもなく、長持ちしやすいといえます。

しかし、いずれは、子どもの体の成長に合わせてベルトを長くするなど調節して、余裕を持たせて背負わせることになります。そのため、ランドセル本体が体にフィットせず、歩いたり走ったりするときに背中で揺れてしまうことが多いでしょう。中に入れた学用品も音を立ててぶつかり合うので、傷みやすくなるかもしれません。

また、ベルトを最長になるように調節しても、高学年で体が大きくなると長さが足りずに、着脱の際に苦労することもあるようです。そこで無理をしてしまうと、肩ベルトの付け根が壊れやすくなります。

非連動型背カンの特徴

固定型のデメリットを解消するために研究開発して生まれたのが、動く背カンです。最近では強化プラスチックなど耐久性の高い素材を使ったものが多いです。非連動型とは、右と左の肩ベルトが別々に独立した動きをすることをいいます。

ランドセルを背負うときは、両方の腕を一度に通すのではなく、片方の腕、そしてもう片方の腕の順に通すことになります。非連動型は、肩ベルトがランドセル本体から横にスライドし、大きく外方向に向かって開くため、片方ずつ腕を通しやすくなっています。

連動型背カンの特徴

連動型は、肩ベルトが左右対称の動き方をするタイプです。片方の腕を通して肩ベルトを肩に掛けたときに、背カンが開いて肩ベルトが大きく広がるため、もう片方の腕を通しやすくなります。

左右同じように広がるため、動き回る子どもの背中でも重心が中心に収まりやすいです。しかし、大きく体を傾けるなどして体の中心からランドセル本体がずれたときは、片方の肩ベルトが肩から浮いてしまい、一方に重さがかかってしまうこともあります。

背カンの素材

背カンの素材は、金属か強化プラスチックの2種類です。出所のあやしい激安ランドセルの中には、弱い金属や薄いプラスチックが使われることもあるため、よく比較してみることをおすすめします。

金属の特徴

固定式の金属の背カンは、本体と肩ベルトの連結という点において頑丈で壊れにくいといえるでしょう。しかし、動く部分に金属を使えば、擦ったり曲げ伸ばしたりを何度もくり返すことによる金属疲労が起こり、破損しやすくなります。金属アレルギーの子どもにも安心な、チタンを使用しているメーカーもあります。

プラスチックの特徴

背カンの動く部分にプラスチックを使うメーカーでは、エンジニアリング・プラスチックと呼ばれる耐久性に優れた高強度の素材を使用しているため、金属に比べて劣ることはありません。メーカーのホームページでは、耐久性の試験を行った動画が公開されています。正しい使い方をしている限りは、心配しすぎる必要はないでしょう。

しかし、激安価格の量販品のランドセルの中には、耐久性がないプラスチックを使ったり、十分な強度が得られないほど薄くしたりしているものもあるため、気をつけましょう。そのようなプラスチックでは、変形したり折れたりして壊れやすくなります。

昨今は連動型や非連動型などの動くタイプの背カンが多いですが、髪の毛がはさまりやすいという声もあります。動く部分が開いたときに髪の毛があると、元に戻るときに挟みこんでしまうという状態です。

しかし、肩ベルトを立ち上げて背中とランドセル本体が浮かないように背中にフィットするタイプのものなら、髪の毛が間にはさまることを防げます。また、ヘアスタイルを工夫したり、背カンを覆って外から見えないようにガードするパーツを取り付けたりするのも効果的でしょう。

肩ベルトの特徴をメーカー別に比較

肩ベルトひとつとっても、メーカーごとに様々な工夫がされています。いずれも、子どもが6年間長く快適に背負えること、なるべく重さを感じないようにすること、肩が痛くならないこと、などに重点を置いています。

フィットちゃん

ランドセルと体の接触面が多くなればなるほど、肩にかかる負担は軽減されます。そのためフィットちゃんでは、ランドセル本体と体がなるべく離れずにすむように、肩ベルトを人工的に立ち上げた造りにしています。メーカーによる実験では、肩への圧力が約50%減ったということです。

さらに、ベルト内部にWクッションの緩衝材を使用することにより、肩にかかる衝撃を抑えているのも特徴です。肩部分を太くして接触面積を広くし、体に自然に沿うように下に向かうほどわん曲して細くしています。

萬勇鞄

萬勇鞄のランドセルも、肩ベルトが立ち上がった状態になっています。背中に密着するので、重たいものを入れたときでも楽に感じられるでしょう。計算したS字型のカーブ状の造りにすることにより、肩だけでなく背中にもフィットするようにしているのも特徴的です。

正しく背中にフィットすれば、重心も中心でまっすぐになるため、前傾姿勢にならずに背筋が伸び、軽く感じられます。

セイバン

「天使のはね」のCMでお馴染みのランドセルメーカーです。「天使のはね」とは、肩ベルトの付け根に付いているはね状のパーツを指しています。この樹脂パーツを内蔵した肩ベルトが立ち上がり、背中に高い位置で密着することにより、感じる重量を軽減しています。

また、肩ベルトをわん曲した形状にすることにより、体に無理なくフィットし、背負い心地の良さを高めているのもポイントです。さらに、肩ベルトを通す硬いパーツが脇腹に当たって痛い思いをしないよう、ひねりを加え、あえて歪んだ形状にしています。

肩ベルトがちぎれる原因

肩ベルトがちぎれる場所の多くは、背カンとつながる付け根の部分です。合皮のランドセルは総重量が軽くて扱いやすいのがメリットですが、その反面、質の悪い薄い合皮を使っていると、重さによって肩ベルトが切れやすくなります。

また、ベルト通しの穴が広がり、そこから亀裂が入ってちぎれてしまうこともあります。高学年になって体が大きくなり、中に入れる物も相当重くなった頃に修理に出すことが多いといえるでしょう。

これらは、肩ベルトを適した長さに調節していないことが原因です。無理なく着脱できるか、背中にフィットしているかを成長に応じて確認して、長さ調節をしてみてください。

左右の肩ベルトの付け根にはどうしても荷重がかかるため仕方がないことですが、それでも、新品で購入したランドセルは、6年間無事に使い終わる子どもの方が圧倒的に多いです。そして、万一のときのためにも、6年間の修理保証のある正規品を購入しましょう。修理に出すときに代替品を用意してくれるところなら、より安心です。

まとめ

背カンや肩ベルトは、どのタイプも悪いわけではありません。有名メーカーが自信を持って作るランドセルは、多少乱暴な扱いをしても6年間の使用に耐えられるように、研究開発してテストを重ねた後に販売されています。通常の使用の範囲内で壊れたときは、メーカーで修理をしてくれることがほとんどです。

また、どんなに良い素材を使った精巧な造りの高級品でも、子どもにはその価値が分かりません。大切なのは、これから成長していく子どもに窮屈な思いや痛い思いをさせないよう、背負い心地の良い物を選んであげることです。

子どもの体型や体力には個人差があるので、当然背負い心地もそれぞれです。売り場では、学用品の重さを想定した重りをランドセルの中に入れて担がせてあげてください。肩ベルトが食い込んだり、背カンやパーツが体に当たったりする違和感がないかを確かめましょう。

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